脱毛症と一言でいっても実にさまざまな種類があり、また原因も多岐にわたります。
でももし、あなたが今悩んでいる、その脱毛症の原因がわかればこれからの予防方法や対策も立てやすいですよね。
ここでは、男性と女性それぞに起こる脱毛症の種類と原因、そして対策にスポットを当ててご紹介していきます。
男女で脱毛症の原因は違うって本当?
脱毛症と言えばひと昔前は男性に多い悩みでしたが、今では女性の中にも脱毛症で悩む方が増えてきています。
結論から言うと男性と女性で脱毛症の原因は違います。
現在、脱毛症の種類は多岐にわたり、男性・女性によって起こりやすい脱毛症も違います。
男性・女性別に起こりやすい脱毛症の種類と原因について紹介しています。
もし、あなたが脱毛症による薄毛で悩まれているのであれば、この機会に、脱毛症の基礎知識を知ることも大切です。それこそが悩み解決の第一歩になるはずです。
あなたがどの脱毛症にあたるのかを知ることで、今後の対策もしやすくなります。
男性に多い脱毛症の種類と原因
男性をとくに悩ます脱毛症と言えば、以下にご紹介する2種類です。
男性型脱毛症(AGA)
男性で薄毛に悩む方の多くが、この男性型脱毛症(AGA)と言われています。
一般的に成人男性以降によく見られる髪の毛の毛量が減り薄くなっていく症状のことです。
薄くなる部位には個人差があり、それぞれにタイプがあります。
《C型・U型脱毛症》
このように細かく分ければ色んな種類がありますが、大きくわかれば「額の生え際」「頭頂部」の2タイプで脱毛症が進行するのがほとんどです。
原因は男性ホルモン(DHT)が大きく関係していると言われています。
若年性脱毛症
若年性脱毛症もAGAのひとつです。
通常のAGAは40代から50代以降から進行するのに対して、この若年性脱毛症は10代から30代に起こるものを言います。
薄くなる部位もAGAと同じで、額の生え際から起こるH型(M字型)脱毛と頭頂部のつむじ周辺から薄毛が広がって行くO字型脱毛がほとんどです。
近年、20代や30代前半での若年性脱毛症で悩む若者が増えていると言われます。
まだ髪の毛がフサフサであるはずの年代で脱毛症が発症・進行するとショックはかなり大きなものになります。それゆえ精神面に与える影響も決して小さくはありません。
原因はAGAと同じく男性ホルモン(DHT)が原因の他、ストレス、生活習慣の偏り、ホルモンバランスの乱れなどがあると言われています。
女性に多い脱毛症の種類と原因
女性に起こる脱毛症は男性とは違い、種類も男性よりも多いのが特徴です。
トリコチロマニア(抜毛症)
3歳から10歳の女の子に多いとされている脱毛症です。
心理的・精神的なストレスの他、欲求不満、精神的な不安定などが原因で、自ら髪の毛を抜いてしまうことで起こる脱毛症です。
牽引性脱毛症
この牽引性脱毛症は女性の間でも急増している脱毛症の1つです。
ポニーテールや髪の毛を束ねることで分け目や結び目の髪の毛が継続して強く引っ張られることで、常に強い負荷がかかることが原因で抜け毛が促進され薄くなります。
とくにおしゃれ好きな女性に多く、女性であればだれにでも起こりうる脱毛症です。
このように、おしゃれのためにしていることが薄毛を誘発することもあります。
びわん性脱毛症
びわん型脱毛症は別名「女性型脱毛症」とも言われています。女性に起こる脱毛症でもっとも多いのが、このびんわん性脱毛症によるものです。
女性ホルモン分泌量の減少の他、生活習慣、ダイエットなども影響していると言われています。
ある部位に集中するのではなく頭髪が全体的に密度が薄くなっていくのが特徴です。
「最近、分け目が広くなったきた」
「髪全体のボリュームがなくなってきた……」
「地肌が全体的に透けてきた気がする」
と感じたら、びまん性脱毛症かもしれません。
分娩後脱毛症
別名「産後脱毛」とも言われており、妊娠や出産が原因でホルモンバランスが乱れてしまう女性が増えています。
ホルモンバランスの乱れは髪の毛に影響を与えてしまうため、これが原因で髪の毛が乾燥したり、細くなることで抜け毛が誘発されます。
とくに女性の髪の毛は女性ホルモン(エストロゲン)が関係しています。
妊娠中はエストロゲンの分泌が盛んですが、産後に急激にエストロゲンの分泌が低下するため、分娩後脱毛症になるリスクは高くなります。
女性男性型脱毛症
別名「FAGA」とも呼ばれており、びまん性脱毛症の種類の1つです。
薄毛の進行具合は男性型脱毛症(AGA)と同じで、額の生え際や頭頂部から後頭部の範囲が薄くなっていきます。
女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れることが原因で、閉経を迎えた女性に多くみられるのが特徴です。
性別に関係なく起きる脱毛症
男性、女性それぞれに起こりうる脱毛症についてみてきましたが、それ以外にも男女に関係なく起こる脱毛症もあります。
円形脱毛症
老若男女関係なく誰にでも起こりうる脱毛症が円形脱毛症です。
現代はストレス社会と言われており、ストレスが原因で自律神経のバランスが乱れ起こる脱毛症と言われています。
しかし、その後の研究でストレスよりもむしろ免疫機能の異常が原因ではないかと考えられています。
種類としては・・・
《多発型円形脱毛症》
粃糠性(ひこうせい)脱毛症
ひこう性脱毛症は「フケ症」と「脱毛症」が合わさった脱毛症を言います。
多量のフケが毛穴に詰まることで髪の毛への栄養供給が停滞し抜け毛が誘発されます。
皮脂分泌が盛んになる思春期の男の子に多いと言われていますが、成人以降の男性でも食生活の乱れなどが原因でフケ症が発症して脱毛症も併発するケースが多いです。
脂漏性脱毛症
皮脂の過剰分泌が原因で起こる脱毛症です。
皮脂の過剰分泌が起こる原因は特定されておらず、頭皮の不衛生、生活習慣、食生活の乱れやホルモンバランスの乱れが考えられています。
日本人男性の30%以上に脂漏性脱毛症の傾向があるとも言われています。
瘢痕性脱毛症
やけどや細菌・真菌の感染の他、外傷や腫瘍によるダメージが原因と言われています。
ダメージを受けた部位は毛母細胞が影響を受け、やがて消滅してしまいます。その結果、その部位の髪の毛が脱毛が起こります。
悪性脱毛症
円形脱毛症の種類の1つです。
最初は円形脱毛症から始まりますが、その後しばらくして頭髪以外にも眉毛、まつ毛、ひげ、陰毛など全身のあらゆる毛が抜け落ちていくのが特徴です。
原因は円形脱毛症と同じく免疫機能が異常をきたし、全身の毛母細胞を攻撃して傷つけることで、結果的に広範囲に脱毛が起こります。
薬剤の副作用による脱毛症
「薬剤性脱毛症」とも言われ、代表的なものでいうと抗がん剤の副作用によって起こる脱毛症です。
がん以外にも肝炎などの治療薬として使用されるインターフェロンなどの薬剤はがん細胞を攻撃して弱らせる働きがありますが、その反面、正常な細胞までも攻撃してしまいます。
これが副作用と呼ばれるものです。
髪の毛の代謝には欠かせない毛母細胞も細胞の1つです。この毛母細胞が攻撃を受けることで脱毛が起こります。
徐々に脱毛が進行する場合もあれば、一気に髪の毛がバッサリと抜け落ちる場合もあります。それは、薬剤の種類や体質の個人差によって脱毛の進行具合は違います。
まとめ
以上、男女別、また男女に関係なく起こりうる脱毛症の種類とその原因についてもご紹介してきました。
実に脱毛症にはさまざまな種類があり、また原因も多岐にわたります。
それ故に、脱毛症を発症すると簡単には解決できないのも現実です。ですが、原因の特定は研究によって徐々に明らかにされてきています。
脱毛症をこれ以上悪化させないためには、そして何より回復させるためには毛髪に限らずですが、早期に発見して対策を取ることが一番です。
とは言っても対策方法、ケア方法を間違っていては逆効果にもなりかねませんよね。
まずは、あなたご自身の脱毛症の種類と原因を知って適切な対策を取るようにしましょう。